私にも空手を楽しむ権利はありますか?

私にも空手を楽しむ権利はありますか?

組手が苦手な子もいる
闘気塾は”フルコンタクト空手”の道場。
掴んで投げたり顔への突きはないものの、実際に体に攻撃を当てる空手。組手が苦手だったり恐怖心を持つ子は一定数いる。
これは致し方ないと思っている。
フルコンタクト空手は、ちょっと野蛮な表現をすれば、”ルールのあるド突き合い”をやっているようなもの。
格闘技というのは、大人でも多かれ少なかれ恐怖心を持つ(試合など)が、子供ならなおさらのこと恐怖を感じてもおかしくない。
また、一昔前であれば根性でなんとかしてきた面もあるだろうが、今は全く違う。

型も苦手な子
では、組手が苦手な子は空手をやる権利がないのかというと、そうではないと考えている。
空手には型(形)や基本稽古や移動稽古もある。組手が苦手でも他の楽しめるものを見つけてくれればいいのだ。
私はそう考えて、以前の投稿で書いた”型の免許証”を作った。
そうして型を懸命に練習する子が増え、組手が苦手な子でも空手をやる理由にもなっている。

しかし、型は結構身体的にキツい。立ち方(前屈立ちや騎馬立ちなど)だけをとっても、楽な立ち方がないくらい。
空手を始めた子に立ち方を教えても、5秒とその立ち方を維持できないほどにキツい。
筋肉がまだ付いていない小学校低学年の子などは、特に負担が大きい場合がある。
その結果、型にも苦手意識を持つ子がいる。

さて、どうしたものか。組手が苦手、型も苦手…。

可能な限り楽しむ機会を
最近試していることがある。
”ミットクラブ”。

これも以前の投稿で書いたが、ミット打ちはノってくると楽しい。
ミットを持つ側に結構技術がいるが、持つ側と打つ側の呼吸が合ってくるとリズムよく打てて楽しくなってくる。
実際、組手も型も苦手な子を最近”ミットクラブ”に入れて、実践稽古の時間に私と2人でミット打ちをやっている。
終わった後にどうだったか聞くと「楽しかった」と言う。
他の道場生を見る指導員がいる時にしかできないが、しばらく試してみようと思っている。

あまり練習の幅を広げると指導者の手が足りなくなるという問題点はある。
しかし、組手も型も苦手な子でも、何らかの形で空手を楽しむ権利を持たせてあげたい。
子どもにとって空手は習い事でもあるしスポーツでもある。
可能な限り楽しみながら成長する機会を与えたいと思っている。