苦労人のパイセンたち

苦労人のパイセンたち

小さい子供がたくさんいると…
私は割と子供が好きだ。というか、子供と女性とお年寄りには無条件で甘い傾向がある(笑)
なにより、小さい子はかわいい。かわいすぎて空手の指導が甘くなってしまう(笑)
甘すぎて、以前はよく親御さん方に苦言をもらっていた。

闘気塾西都道場には、保育園年長から空手を始めて現在中学1年生の道場生が2人いる。
同じタイミングで空手を始めた年長の子達がもっといたが、コロナの影響や諸事情で辞めてしまい、2人が残って今も頑張っている。
この中学生たちが小さかった頃は結構大変だった。

保育園年長の子達が一気に入会したため、統制が効かず、ほとんどお遊び状態であった。
挨拶をするために並ばせようとすると走って遊びだし、騎馬立ち(足を大きく開く立ち方)のお手本を見せると股の間を潜って遊びだすというような状態。
集中することがまだできない年齢なので仕方のない面はあるが、これには指導者ばかりか親御さん方もフラストレーションが溜まった。
それでも、『いつかきちんとできるようになる』と信じ、ちょっとずつちょっとずつできる事を増やしていった。

成長した末に
そんな感じで親御さん方・指導者と共に苦労した現在の中学生2人。
たくさんの経験を経て、今では2人とも黒帯となり、積極的に後輩を教える良き先輩となった。
組手も型も真剣にやり続け、後輩たちにその姿を見せて良きお手本となっている。
後輩の型を見てあげたり組手の相手をしてあげたり、優しくも強い理想の先輩となった。
そんな2人が後輩の面倒を見る姿を眺めていると、2人のかわいい攻撃を我が身で受け止めていた時期を思い出し、非常に感慨深い。
そして同時に、2人に面倒を見てもらっている後輩を見ると『いつかは2人のような頼れる先輩になるのかな』と楽しみな気持ちにもさせてくれる。

2人はいつか道場を巣立っていくだろう。
でも、2人が苦労して残した道場の文化は、確実に後輩たちが継いでいく。
そんな風に道場の文化が醸成されていく。
そして、これからも道場生や親御さん方と一緒になってみんなで”良い道場”を作っていきたいと思っている。
道場の良き文化は、指導者だけで作っているわけではないことを忘れず。
道場の良き文化は、2人の道場生が空手を頑張っていたという足跡であることを忘れず。