61歳Oさん
2026年の新年早々、闘気塾HPの問い合わせフォームからメールが届いた。問い合わせ主はOさんという方で、「見学・体験に行きたいので、必要なものや服装を教えてほしい」とのことだった。
その後、メールで何度かやり取りする中で、Oさんが61歳であること、最近大きな手術をしたこと、若いころに事故に遭った影響で当時の記憶があまりないこと、学生時代に硬式空手をやっていた、などが分かった。
ある程度年齢を重ねた人は、空手や格闘技に興味があっても『自分にできるかどうか…』と考え、二の足を踏む。しかしOさんは気おくれすることなく、問い合わせしてくれた(もしかしたら問い合わせるまで逡巡されたかもしれないが)。私はまずそれが嬉しかった。
驚くほど空手好きな人
問い合わせから数日後、Oさんは見学に来た。
話してみると、Oさんは空手業界のことや闘気塾のことについてとても詳しかった。中には、この闘気塾日記を読み込んでいないと知らないようなことまでも。それほど空手のことが好きだし、闘気塾に対して並々ならぬ思いを持っていることがうかがい知れた。
少し体験もしてもらったが、Oさんは事前に購入していた自前のサポーターを持参するという気合いの入れよう。事故の影響で若いころの記憶があまりないとのことだったが、体が空手を覚えていたようで、すでに動きがいい。ただ、大きな手術をしたばかりということで、まだ無理に動くことはできないようだった。
結局、Oさんは2月から入門することになった。正式入門初日から道着はもちろん、道場名とOさんの氏名の刺繍を刻み込んだ帯まで準備していて、私を驚かせてくれた。
それ以降、仕事の都合や諸事情によりなかなか稽古に来られない日もあるが、来た日は精一杯空手を楽しんでいる。Oさんも空手ができることが嬉しいらしく、まだ無理ができない体ながらつい動きすぎてしまうことも。Oさんは多くを語らない人ながら、型稽古をするときの真剣な表情や組手稽古をするときの少年のような表情からは、純粋に空手を楽しめていることが感じられる。
そんなOさんの”61歳からの挑戦”をストーリー仕立てにし、闘気塾のSNSに投稿したところ、予想以上に視聴者の反応があった。コメントもたくさんいただき、その多くは「応援します」「頑張ってください」という応援メッセージだった。中には、「(空手は)50代後半からでもできますか?」と、『自分も挑戦してみようかな』と思っているようなコメントもあった(もちろん「空手は何歳からでもできますよ」と返信)。
ご自身の動画を観たOさんは、「(動画を観た)家族が感動しています。嫁さんが涙目です。これからさらに楽しくやっていけそうです」とわざわざ連絡をくれた。
Oさんの姿が教えてくれること
Oさんは、記憶をなくすほどの事故や臓器摘出という大きな手術など、今まで茨の道を歩んできた(ここには書けないことも)。そんな経験を経て、61歳で「残りの人生、闘気塾で空手を楽しみたい」と言い、新たな一歩を踏み出した。
その姿は家族を感動させ、SNSを通じて多くの人たちを勇気づけた。そして、私自身もOさんの姿に感動し、勇気をもらった一人だ。
Oさんはこれから闘気塾で空手を精一杯楽しんでくれるだろう。そして数年後にはかっこいい刺繍の入った黒帯を巻いていることだろう。
“何かを始めるのに年齢は関係ない”
“人生を楽しむのに過去も躊躇もいらない”
Oさんの挑戦は、我々にそんなことを教えてくれる。
<今週の動画>
空手を楽しむOさんのすがた

