格闘技で使われる“スパーリング(略してスパー)”とは、実戦練習のこと。技を試し合ってレベルの向上を図るものだ。
昔の格闘技仲間がこのスパーのことを“スパ”と言っていた。「スパしませんか」みたいな感じで。
その度に私は『スパって温泉みたいなところを言うんじゃないかな…それじゃ「温泉しませんか」になるんちゃうかな…』と思いつつも、そのまま放置していた。※スパは温泉とは限らず、リラックスや癒しを目的とした施設・サービスなどを言うらしい
ガチスパーとは
格闘技におけるスパーには、マススパー(当てない程度のスパー)、ライトスパー(軽く当てる程度のスパー)、ガチスパー、がある。ブラジリアン柔術でマススパーは聞いたことない(そもそも接触競技なので)が、他はあるのでおおよそ格闘技全般で使われる言葉と言える。
あ、ブラジリアン柔術にはマススパーはないが、シチュエーションスパー(限定スパー)はある。“こういう状況になったら”という前提から始める行うスパー。
で、想像はつくと思うがガチスパーとはなんぞや?と思ったそこのあなたのために一応ガチスパーを説明する。そのままだが、ほぼ実戦に近いくらいの力で行うスパーのこと。相手を倒す勢い、なにがなんでも相手から一本を奪う力加減、そんなテンションで行うのがガチスパー。
ガチスパーをしがちな人
道場内でこのガチスパーが問題視されたり議論の的になったりすることがある。
どういったケースが問題視されるかというと、例えば、その競技を初めて間もない人を相手に容赦のない攻撃を加えたり、技を極める際に相手が怪我するような力を加えたり、はたまた、明らかな体重差や実力差がありながらその差を最大限に利用した動きや技を繰り返す場合、などだ。
多くの道場では指導者からこういった誤ったガチスパーはしないように指導される。しかし、中にはどうしてもそうなってしまいがちな人もいる。これはあくまでも私個人の考察ではあるが、どういったタイプの人が誤ったガチスパーをやりがちか記してみる。
・極端な負けず嫌いタイプ
このタイプは、相手にちょっとでもポジションを取られたりいい技をもらったりすると、ムキになってガチスパーになりやすい。ましてや、その相手が格下・帯下の相手だとなおさらヤバく、“オラオラ状態”でやってくることも。
・相手がダメージを負った姿に快感を得るタイプ
このタイプは危険。相手が痛がっても『タップが遅いあんたが悪いんでしょ』とか『格闘技なんだから痛い目をみることは覚悟してるでしょ?』という感覚を持っているようなタイプだ。そのため、技をかけるときに容赦がなかったり危険な打撃を平気で当ててきたりする。
・自分の技研究に一直線なタイプ
このタイプは格下・帯下でも容赦がないことが多い。とにかく自分の技がどんな相手にどこまで通用するのかを真面目に取り組んでいる。なので、相手の様子や気持ちなどを考慮していないパターンだ。その格闘技を始めたばかりの人がこれをやられると恐怖を感じてしまう。
ガチスパーは悪なのか?
以上のような感じだと思うが、ではガチスパーが悪なのかというと、そうではないと思う。
ガチスパーは選手志向のある人など、それを望む人にとっては良き練習。要は、ガチスパーをする相手や状況を見極められれば良いのだ。また、道場の指導者はガチスパーのクラスを作るなど、その環境を整えることも必要。
世界的にも格闘技人口は増えているらしい。しかし、危険性が含まれることも事実。だからこそ、環境を整えることだったり所属する人への教育だったり、安全面には十分考慮する必要があるだろう。そしてそれが、格闘技を楽しむための最低条件だろう。


