【10年間の集大成】空手発祥の地・沖縄に響いた「ラスト30秒!」の叫び

【10年間の集大成】空手発祥の地・沖縄に響いた「ラスト30秒!」の叫び

沖縄再訪問
2026年3月26日~29日の日程で沖縄を訪れた。沖縄は昨年4月以来、1年ぶりだ。
旅の目的は泡盛…ではなく、空手の全国大会。昨年は格闘技仲間のプロ戦を応援するために訪れたが、今回は3月28日に沖縄空手会館で行われるJAC主催の全国大会に行くためだ。その大会に闘気塾西都のモカ選手が出場した。

1年ぶりの沖縄は、幸いにも過ごしやすい陽気。1年前はカンカン照りの中、首里城など古城巡りをしたせいで、私は日焼けしまくった。今年の沖縄はちょっと曇り気味で、でも寒いわけでもなく朝も日中も20度前後と、いたって過ごしやすかった。
初日はバスで沖縄県中部に向かい、名護市に宿泊。翌日は美ら海水族館に行った。おっさん一人で水族館に行き、イルカショーを観るという絶妙な光景を現出せしめた。イルカかわいい。
その日のうちに那覇市に向かい、翌日の大会当日を迎えた。

3度目の挑戦
モカは今回の全国大会で3度目の挑戦。昨年度と一昨年度は大阪で挑戦したが、マットが滑るという不運に見舞われ、悔しい結果となった。その分、今回こそはという気持ちで大会に臨もうとした。
しかし、モカは勉学もおろそかにしない人。もうすぐ学年が上がるが、学年が上がれば特進クラスに進むことになっており、勉強のためになかなか道場に行けなくなることが予想された。

『今回が本当に最後の挑戦になる』

そんな気持ちで今回の大会出場を申し込んだが、冬頃から早々と学校が忙しくなり、なかなか練習に行けない日々が続いた。そこに体調不良なども重なり、正直、大会当日までに思うようなコンディションはついぞ作れなかった。
それでも大会当日はやってきた。

思うような練習ができなかったモカはスタミナに不安がある。そのため、ウォーミングアップもやりすぎず、しかし緊張が適度にほぐれるくらいに行った。
いざ、試合開始。
相手選手はあらゆる全国大会で2位や3位などの実績を積んだ選手。強いのは分かり切っている。それでも持ち前の積極性を前面に出し、臆せずに立ち向かうモカ。
しかし、やはり相手は百戦錬磨の猛者。適切な距離を取りながら、隙をついて強烈な突きをモカのボディに叩きこむ。

『効いた』

それは私の目から見ても明らかだった。それでもなんとか耐えるモカだったが、相手の突きの圧が強く自分の動きができない。
ラスト30秒。モカ自身が事前に「ラスト30秒になったら教えてください。勝負をかけるので」と言っていた時間。
私は大声で「ラスト30秒!!」と叫ぶ。
歯を食いしばり、必死の形相で勝負をかけようとするモカ。しかし、相手の強い圧は止まらず、逆に下がらされてしまう。
試合終了。
モカの三度目の、そして最後の挑戦は、またも厚い壁を打ち破れずに終わった。

今までの10年間を糧に
過去2回の挑戦では、敗れた際には涙を流していたが、今回のモカは涙を流さずにどこか清々しさを漂わせていた。
「あんなに強い突きは初めてもらった」と語るほど相手選手は強かった。おそらく『実力で負けた』と実感したのは最近の記憶にはないくらいではないだろうか。
10年間の集大成として最後の大会に臨み、強い選手を相手に真っ向から打ち合い、そして敗れた。モカの中で悔しさはあるものの、どこか充足感もあったのだろう。

保育園年長から空手を始めて10年間、仲間とともにたくさんの汗と涙を流してきた。
黒帯をもらってからは先輩の役目を担い、後輩たちのお手本として自ら模範を示してきた。
二段になってからは、道場に改善点があればすぐに指導者に伝え、ともに“良き道場”を作ってきた。
そしてこれからのモカ。大学へ進み、自分の夢を叶えるために突き進む。その途中には様々な困難があるだろう。
でも、この10年間どんなに心が折れそうになってもその度に歯を食いしばり、自らを奮い立たせて困難に立ち向かってきた。大きな舞台に立つ時でも、仲間の声援を背負い、そして励みにし、正々堂々と闘ってきた。
モカが歩んできたこの10年間は、これから歩む道の大きな糧となることだろう。そして、道場を卒業したとしても、道場の仲間がいつまでもモカに声援を送るだろう。

試合が終わった後のモカのInstagramにはこう書かれていた。

「10年間、応援ありがとうございました」

<今日の動画>
モカ、最後の挑戦