2025年夏、闘気塾西都の高校生指導員2名に意見を求めた。何についての意見を求めたかというと、“中学3年の道場生T(現・茶帯)に黒帯への挑戦である昇段審査を受ける資格があるか否か”というもの。黒帯は道場の指導員となる帯だが、これにTを受けさせるかどうか私は考えあぐね、高校生指導員たちに意見を聴いたのだ。
レアキャラのT
Tは、先に空手をやっていた兄の影響で小学3年だった2019年8月から空手を始めた。Tは一言でいうとマイペースで、練習も来たり来なかったり。しかし、たま~に試合に挑戦し、技術は未熟ながらマイペース力を発揮して入賞したこともあった。
途中、兄の学校の関係で少し離れたところに引っ越した。それからはますます練習から遠ざかり、月に2~3回来るかどうか。すっかり“レアキャラ”となったため、ある時などはTが練習場所に現れた際に、自然と周囲から拍手が起こったほど。
なんとか中学卒業までには黒帯を巻いて欲しいと思っていた私は、“平日は送迎の関係で練習に来るのが難しい時もあるだろうが、その分、土曜練習に来なさい。送迎は先生(私)がするから”と提案したり、私が手伝いに行っている格闘技ジム(Tの家に近い)で個人レッスンを行ったりした。
しかし、土曜練習に来ることもなく、たまの個人レッスンでは黒帯に見合う技術を覚えられるはずもない。そんな状態で黒帯の昇段審査を受けさせていいものか…悶々とした状態で、高校生指導員たちに意見を聴いたのだ。
黒帯に見合う人とは
高校生指導員たちの意見は、「Tは後輩たちに教えられる状態ではなく、黒帯はまだ早い」と。
“後輩たちに教えられる状態”というのがポイント。これはなにも技術的なものだけではない。例えば、“練習の準備や後片付けを自ら積極的に行っているか”や“試合やイベントに積極的に参加しているか”、“進んで後輩たちの面倒を見ようとしているか”、などなど、他の模範となれるかということ。
もちろん、ある一定の技術の習得はしてもらう必要はある。ちびっ子たちに基本的な型を教えられるくらいは。しかし私の考えでは、技術は“基本的なもの”に留まっているとしても、上記の“積極性”や“周囲に対する気配り”、“道場への貢献”などがあれば、それはそれで黒帯に見合うと思っている。要は、“黒帯(指導員)に見合うほどの主体性があるか”ということ。
こうやって文字にすると、まだまだ未熟な小学生や中学生に求めるのはちょっと酷なようにも見えるが、積極的に空手を楽しんでいる人・取り組んでいる人は自然とそれくらいの人にはなる。
Tは、優しい性格で憎めない愛されキャラ。黒帯になれる素質はちゃんとある(と思っている)。
彼にはもっともっと積極性を発揮して、いずれ黒帯になってほしい。そして持ち前の愛されキャラで、後輩たちに慕われながらも指導できる黒帯になってほしいと願っている。
あ、ここに書いた“黒帯に見合う人”というのは、あくまでも私目線。道場によってその基準は全く異なりますよはい。


