ダラばな:練習会で見かけたある保護者

ダラばな:練習会で見かけたある保護者

先日、友好道場の組手練習会に闘気塾高千穂・西都のメンバー数人とともにお邪魔した。組手練習会はとても有意義なものになり、闘気塾高千穂・西都のメンバーもいい練習ができたようだった。
しかし、ある場面で心を痛めた。自らの子どもを過度に怒る親御さんがいたことだ。

その親御さんは、練習会を行った友好道場に所属する子どもの親御さん。子どもさんは小学3年生くらいの女児で、道場に入ってそれほど多くの日は経っていないようだ。その親御さんが、練習場内に入って自らの子どもを口悪しく怒っていたのだ。
具体的にどのように怒っていたかというと、ガムを噛みながらコートに入り、子どもに「(相手を)蹴れ!」などと何度も激しく指示を出す。そしてその練習が終わると「ほんっと言うこと聞かんやつやなー!」などと激しく罵倒する。
その姿を友好道場の指導員の人が気にしているようだったので、私はその指導員の人に声をかけた。
「あの人(過度に怒る親御さん)はいつもあんな感じ?」と問うと、『そうなんですよ。以前も問題行動を起こして道場から注意したんです。その時は謝罪があったんですけど…』とのこと。また、友好道場の先生にも話を聞くと、やはり問題視しているようだった。

空手界に限らずだと思うが、たまにそういう保護者はいる。過度に子どもに指示を出し、指示通りの動きができないと激しく怒る人。
私はそういったことを防止するため、見学・体験に来た人には初めに道場の説明書きを渡すようにしている。そしてその説明書きには次のような文言を記載している。

“子どもを過度に怒る親御さんには、空手をやってもらうようにしています”

過去、実際に道場に入ってもらい、空手をやった親御さんが一人だけいる。その人は自分の子どもに対していつも「なぜできないのか」などと文句を言っていた。
なので私は「じゃあ○○さんも一緒に空手をやりましょう」と誘い、その場で道着やサポーターなどを注文した。実際に空手を始めた○○さんは、意外にも(失礼)頑張り、毎回ヒィヒィ言いながら練習していた。試合にも幾度か挑戦した(いい結果とはならなかったが)。
空手を始めた経緯こそアレだが、本人が楽しんで空手を続け、健康づくりなどに繋がればいいと見守っていた。
…が、いつしか来なくなった。空手をやった期間は2年ちょっと。正直、私の予想よりはるかに続いたと思う(失礼)。
自身が空手を始めてからは、○○さんの子どもに対する文句は少なくなった。子どもの試合を観て自分の考えなどを話すことはあっても、以前のような悪い口調はなくなった。それは当然だと思う。子どもがどれだけ大変なことをやっているかが分かるし、思うように動けないのが分かるから。
私はブラジリアン柔術では学ぶ立場であるが、思うように動けず歯がゆい思いをすることはしょっちゅうだ。自分のスパーリングの動画などを見ると、もう愕然とするほど理想の姿とは違う。

そういった経験があったので、友好道場の先生や指導員の人には、例の過度に怒る保護者さんにも空手をやらせたらどうか、と勧めた。

空手をやるのは子ども自身だ。空手を通して成長するのも子ども自身。その子どもが、親や大人の顔色を窺いながら空手をやるのはよくない。それは子どもの成長を阻害するだけでなく、空手だけではない“生涯スポーツ”を阻害することにもなりかねないから。
私は、「なぜできないんだ!」などと過度に怒る親御さんには『なぜできないか知るために、親御さんもやってみましょう』と言う。

とはいえ、私は過度に怒る保護者さんだけでなく、すべての保護者さんに“親子空手”を勧める。実際に闘気塾には、ともに空手を楽しむ親子が何組も在籍している。空手を含む格闘技は、最高の親子コミュニケーションだから。
始める経緯や理由はなんでもいい。真面目に取り組みさえすれば、格闘技は最高のコミュニケーションだ。