格闘技に三段論法が通じない理由

格闘技に三段論法が通じない理由

長い導入
度々この闘気塾日記で触れているが、この闘気塾日記は読まれるために書いているわけではない。しかし、図らずも道場に所属する人たちは結構読んでいるようだ。
先日も、新たに仲間となった男性に「うちの妻が闘気塾日記を読んでます」と言われたし、女性道場生にも「(以前の投稿を)遡りながら読んでます」と言われた。恥ずかしい。読まれる前提で書いていないので、改めて「読んでます」と言われると恥ずかしい。
しかし、考え方によってはそれもいいかもと思い始めた。
空手や闘気塾のいろんなことを道場に所属する人たちに知ってもらえるし、取り上げたテーマについて「それはちゃうやろ」などと一緒に考えてもらうこともできる。

論理学(または哲学)の弁証法でまとめると、こうなる。
テーゼ:読まれるのは恥ずかしい
アンチテーゼ:でも読まれることで一緒に考えてもらえる。
ジンテーゼ:結果、道場のコミュニケーション手段の一つになっている。

ってことで、前置きが長くなりましたが今日は格闘技の一面を論理学的に考えてみようの回です(偉そうに言ってますが、私に論理学の知識などありません)。

格闘技には三段論法は使えないよ
三段論法は論理学の論法の一つで、大前提・小前提の組み合わせで結論を出す論法。例を出すと、『30℃を超えると“真夏日”という(大前提)。今日の気温は32℃(小前提)。だから今日は真夏日だ(結論)』という具合(これ合ってるかな…)。

で、この三段論法さん。格闘技における試合や組手(スパーリング)には適用できないことが多い。
どういうことかというと、「A選手はB選手に勝った。僕はA選手に勝った。だから僕はB選手より強い」ということは、一概には言えないということ。他にも「黒帯は黄帯よりも上。私は黒帯で彼女は黄帯。だから私は彼女より強い」ということも一概には言えない。こんな感じで、その格闘技によって多少違いはあるかもしれないが、格闘技の試合や組手に三段論法は使えない。なぜなら、格闘技には相手との相性があり、一対一であるためその相性の影響度が大きいから。

帯下の人に一本取られる時
私は、空手では黒帯五段を巻いているが、ブラジリアン柔術では紫帯を巻いている。紫帯は青帯の上の帯になるのだが、青帯の人とのスパーでも一本を取られることがある。なんなら、この前は青帯の高校生にも一本を取られた(私は器が小さいので言い訳をさせてもらうと、その高校生は柔道黒帯でもともと強い)。
人にはそれぞれ得意な形や得意な技、動きがあり、反対に苦手な形・技・動きがある。そしてその形・技・動きをじゃんけんのようにお互いに出し合って、それがうまくハマる時があったり相手にディフェンスされたりする。それが攻防だ。

帯下の人に一本取られる時というのは、相手が、私が苦手とする形を作ったり技を仕掛けてきたりし、それに対して私がディフェンスできていない時に訪れる。その得意な形・技・動き、苦手な形・技・動きの相性が格闘技にはある。
得意な形・技・動き、苦手な形・技・動きの相性があるために、「A選手はB選手に勝った。僕はA選手に勝った。だから僕はB選手より強い」という三段論法は使えないのだ。
言うなれば、「A選手はB選手に勝った。僕はA選手に勝った。でもB選手には負けた」ということが往々にしてあるということ(細かいことを言えば、年齢的なものもあるし体重的なものあるのだが)。

平均的にみれば帯上の人が強いのは?
とはいえ、平均的にみれば帯上の人は帯下の人より強いことが多い。これは何の差だろうか。形・技・動きの相性があるなら、帯下の人が帯上の人とスパーした時にもっと勝っていいジャマイカ。
この差は、“苦手な形・技・動きがどれだけ相手より少ないか”だと考える(私見)。相手が形を作ってきた時や技を仕掛けてきた時にどれだけ対応できるか、の差と言っても良い。さらに言い換えると、“どれだけ相手より引き出しが多いか”になる。
この差が、平均的にみれば帯上の人が帯下の人よりも組手やスパーリングが強い理由だろう(私見です)。

まとめるとこうなる。
平均的にみれば帯上の人は帯下の人よりも組手やスパーリングが強いが、たまに帯下の人が勝つことがある。その理由は、帯上の人が持っていない“引き出し”を、帯下の人が自分の“引き出し”から出してきて、それがうまくハマる時があるから。一方、平均的にみれば帯上の人は帯下の人よりも組手やスパーリングが強い理由は、その“引き出し”の数が帯上の人の方が多いから。

う~ん。この闘気塾日記は自分の思考を整理するために書いているが、今日も自分の考えがそれなりにまとまった。よかった。これこそ論理学のいいところだ。知らんけど。勝手にそう思っとこう。

<今週の動画>
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