『格闘技は“続けること”が最大のハードル』
これは、世界的に著名な宮崎県の空手道場・闘〇塾の現塾長の言葉だ。
さすが世界的に著名な現塾長。的を射ていて、そしてなんと深遠な言葉だろうか。すごい。尊敬するしかない。ビバ、塾長。
そんな冗談はさておき。
ハマる人が多い格闘技
格闘技はストレスの多い競技。
殴り合い・蹴り合いをし、相手を痛めつけ自分も痛めつけられる。羽交い締めにされ、首を絞め、関節を曲げ、心をへし折られる。
試合ともなれば、大勢が見ている前でそれを行う。そして、格闘技はどこまでいっても一対一。仲間はコートの外。どれだけ困っても応援はしてくれるが加勢なんて絶対にしてくれない。
唯一、助けてくれるのはレフリー。相手のパンチ・キックをもらって倒れる時、首を絞められて気絶した時、関節を極められてタップした時、それ以上のダメージがないようにレフリーは試合を止めてくれる。それが唯一の助け。だが、つまりそれは自分が敗北した時。敗北した悔しさを分け合える人はおらず、すべて自分一人でその悔しさを背負う。仲間は、同情したり慰めたりしてくれるが、真の悔しさは自分一人。
このように格闘技はストレスの多い競技だ。
しかし一方で、格闘技にハマる人も多い。過去回で格闘技にハマった人を紹介したが、格闘技が有する非日常性や緊張感、自分一人だからこその“マイペースさ”などにより、ハマる人は多い。そして昨今の格闘技ブームにより、格闘技に興味を持つ人や『やってみたい』という人も増えている。
今回は、そんなストレスの多い格闘技の道場に入会する人、そして続ける人、の特徴について紹介したい。なお、その特徴は完全に私の主観・偏見です。そして、対象人物像は一般人であり、現役プロやプロ志向の人ではありません。
入会する人の特徴:行動が速い
実際に入会する人は“行動が速い”。これが最大の特徴。
興味を持ったのに入会しなかった人というのは、いろいろ考えすぎる傾向にある。考えているうちに“行けない理由”が頭の中で増大していく。結果、行かない。入会する人は、興味を持った時点で調べ、すぐに体験の申し込みをする。そしてすぐに行く。このプロセスが実に速い。
人それぞれ事情はある。子どもであれば学校の都合、帰りの時間、他の習い事との兼ね合い、もし入会した場合の帰宅時間。大人であれば、家庭の事情、仕事との両立、体力の問題、費用面。人それぞれ様々な事情がある。
入会しない人は、時間をかけてそれらを考えているうちにこの事情が頭の中を支配していき、入会に至らない。入会する人は、すぐに体験に行く。そうすると、楽しいから“どうやったら通えるか”というプラス思考になる。プラス思考になれば、実現できる範囲が見え、入会する。この違いが大きい。大人だと本人の、子どもの場合だと親御さんの、行動の速さ。この行動の速さこそが、新しい世界の扉を開く鍵。
あ、この記事は決して格闘技道場に入会しなかった人を非難しているわけではありませんので誤解なきよう。
続ける人の特徴:ハードルを地面まで下げる
実際に格闘技道場に入会し、続ける人の特徴はというと、それは、“続けることを一番の目標”にしている。あ、ちなみにこれは大人の場合。子どもの場合だと、“本人の競技への楽しみ方”に加えて“親御さんの関わり方”というのが大きなポイントだが、今回は述べない。
で、大人の続ける人は“続けることを一番の目標”にしている(多分)わけだが、こういった人は、例えば自分の試合結果に過度な期待をしない、練習に行けない時はあっさり諦める。この「いい意味でのマイペースさ」こそが、格闘技という荒波を泳ぎ切るためのコツなのだ。
私の柔術仲間で同期の人(現在50代前半)などは、柔術を始めた当初(40代前半)は“練習に10回行く”ことを目標にしていたらしい。10回行けたら次は100回、というように、徐々に回数を伸ばしていった。結果、今でもちゃんと続けており、インストラクターの帯である紫帯を巻いている。
どのようなことでもそうだが、“真の楽しさ”というのは分かるまでに時間がかかる。それは入会してすぐに分かるものではなく、最初はみな苦労する。しかし、続ける人は“続けることを目標にしている”ため、この苦労もクリアする。
このように、格闘技を続ける人というのは、自分に過度な期待をせず、なおかつ、マイペースにやる姿勢を貫いているのだ。
『格闘技は若い人の競技』。世間一般ではそのようなイメージがあると思うが、決してそうではない。
格闘技の裾野が広がっている現在、老若男女問わず興味を持つ人が増えている。各格闘技はそのリクエストに応えようと、競技の安全性を確保し、ルールを明確にし、人々の“人生の豊かさ”に寄与しようと努力している。
もし格闘技に興味を持ったならば、すぐに行動してみてください。最初こそ苦労するかもしれないが、続けた先には人生を豊かにしてくれるものが必ずと言っていいほど存在します。
どうぞ、一歩前へ。

