頭を撫でるおっさん
私は子どもの道場生の頭をよく撫でる。練習をがんばった時はもちろん、何か話しただけでも最後に頭を撫でる。
言を俟たず、その意図は“褒め”や“励まし”だ。
『よく頑張ったね』
『いつも頑張っているね』
『よく話してくれたね』
『これからも楽しもうね』
そんな気持ちを込めて、私は男女問わず子どもたちの頭をよく撫でる。
何歳までの子の頭を撫でるのかというと、大体、小学4年生くらいまでではないだろうか。それ以上になると、思春期に差し掛かり、“褒め”や“励まし”であったとしても体に触れられることに抵抗感が出てくるような気がして、そのようにしている。
ポッドキャストで聴いたのある一言
私は朝日新聞ポッドキャスト(以下「朝ポキ」)をよく聴くが、その中で“学校教諭による盗撮及び画像・動画共有事件”が取り上げられていた。※道場内の子どもがこの記事を読む可能性を考慮して、事件の詳細はここでは書かないし、この後の文章も言葉を選びます。
その中で、朝ポキのパーソナリティは事件に関して「理解できない」「反吐が出る」というようなことを言っていた。私も同感。小さい子どもをそういう目で見ること自体、理解できないし、あまつさえ、教諭がその立場を利用して子どもを盗撮し、それを同じ教諭たちで構成するグループで共有していたとは、到底許せない。
たしかに同じ人間でも性格や趣味・嗜好などはまったく違う。朝ポキのパーソナリティや私がいくら「理解できない」と言ったところで、そういう趣味・嗜好を持つ人は必ずいる。だから、百歩譲って当該の教諭たちがそういう歪んだ嗜好を内在させていたとしても、人間には理性がある。そういう嗜好を持っていたとしても、自らを律しきらねばならなかったはず。その意味で、許しがたいのだ。
しかし、その朝ポキの番組の中でもう一人の出演者が次のようなことを言った。
「他人の身体は、その人の許可なく触らない」
ハッとした。
冒頭のように、私は子どもの頭をよく撫でる。もちろん、撫でる時はいちいちその子どもの許可を求めていない。
以前、道場生の保護者さんが、私が子どもの頭を撫でる様子を見て「この道場なら大丈夫だと思った」と言っていた。つまり、頭を撫でる様子を見て安心感を得ることもあるようだ。
しかし、朝ポキの出演者の方の言葉が正しければ、私の頭を撫でる行為はNGとなる。もしかしたら不快に感じる子どもがいるかもしれないことを考えれば、やはりNGなのか。
う~ん…この行為が果たしてやっていいことなのか悪いことなのか、すぐには判断がつかない。
考えれば考えるほど分からない
他にも考えさせられることが。
闘気塾西都の指導員(男性)。彼は道場に所属する、ある小さい女の子に慕われていて、よく遊び相手になっている。
遊びと言うのは、女の子の体を両腕で抱っこするような形で飛行機遊びをしてみたり、両膝に女の子を乗せて楽しそうに話していたり。要は、体が多く触れる状態だ。
女の子の方から寄って行っているので、それを“本人の許可”と解することはできるのだが、その辺の判断もまだつかない女の子の体にそこまで多く触れていいものか。社会的目線で見れば怖い部分がある。
答えが出せない私は、道場に通うちびっこの保護者さんたち4名に意見を聴いてみた。
結果的には4名とも「まったく気にならない」という肯定的な意見だった。中には、「わが子が先生に褒められて頭を撫でられるのは微笑ましい」、「先生の優しさや伝え方が丁寧で、子どもたちもやる気を出して頑張っている」とするものや、「頭を撫でられることで子どもたちも安心するし先生への信頼も大きくなる」など、有り難い言葉もあった。
とりあえず保護者さんたちが肯定的な意見で一安心したものの、いまだに自分なりの正解を出せずにいる。なにより、保護者さんたちが肯定的であったとしても、子ども自身がその時どう感じているか、将来的にどう考えるか、という点は未知。
やはり子どもたちの頭を撫でることはNGなのか、はたまた、信頼関係があればOKなのか。
最低限、“目のない状態(密室状態)を作らない”などは常に意識しておくべきだろう。そして、指導者・指導員はこういった倫理的な問題を常に考え続け、アップデートし続けることこそが現代の指導者の責務であると考える。
<今週の動画>
空手の体験に来た子が強すぎた時の周りの子たちの反応が…

