空手道場に通う姉妹

空手道場に通う姉妹

闘気塾宮崎には、個性は真逆ながらも共通して驚異的な『チャレンジ精神』を持つ姉妹がいる。姉のSさんと妹のRさんだ。

妹のRさん
先に空手を始めたのは妹のRさんだった。2024年9月、闘気塾のHPから体験の問い合わせをしてきたのがRさん。
体験が楽しかったらしく、翌月にはもう入門となった。Rさんはそれまで運動とは無縁と言ってよく、空手を志したのは好きだったゲームのキャラクターに憧れてのことだった。
入門してからのRさんは、実に練習熱心、そして研究熱心だ。どの稽古もおざなりにするということはなく、すべて真剣に取り組む。
Rさん宅から闘気塾宮崎は遠いのだが、毎回電車と徒歩で通う。もっと遠いところで行われる練習会にも、一人で電車と徒歩で来る。気にかけた人が車で送ろうとしても「歩くのも修行のうちなので」と断り、歩く。

Rさんは格闘技を題材としたある創作活動をしている。そのため、私にフィジカルについての質問や格闘シチュエーションの質問をしてくることがある。やはり想像の世界と実際の格闘技は違うので、そういった意味でRさんにとって空手は創作活動の一助になっているようだ。
また、空手と同時期にピアノも始めており、他日「演奏会に出演する」と聞いた私は、Rさんの雄姿を見に行った。その時点でピアノを始めて1年ほどとのことだったが、難しそうな曲をミスなく堂々と演奏するRさんが頼もしかった。
空手においてはスタミナ不足という課題は抱えるものの、Rさんの努力があればそれもやがて克服し、色々なことに挑戦してくれるだろう。

姉のSさん
姉のSさんは、2025年6月から闘気塾宮崎に入門し空手をしている。一時期、3か月ほどフィットネスボクシングをやっていたそうで、妹のRさんが楽しそうに空手道場に通う姿を見て闘志が再燃、ともにやることになった。
さすがボクシングをやっていただけあって、最初からスジが良かった。しかもパンチだけでなく、上段まで脚が上がるなど蹴りもとても初心者とは思えないほど。
あまりにスジがいいので、少しだけディフェンスを教えて、早々に組手稽古にも入ってもらった。案の定、組手でも才能を発揮したため、空手歴7年の小学5年道場生が「あの人はなんであんなに強いんだろう…」とぼやくほどだった。また、姉妹が闘気塾西都に出稽古に来た際は、西都のメンバーたちが「Sさんは本当に初心者ですか?」と疑問を呈するほどだった。

入門からわずか3か月後、「型の試合に出場したいです」と申し出てきたSさん。私は少し驚いたが、Sさんのチャレンジ精神と才能を信じて了承した。Sさんは忙しい中、時間を作り、闘気塾西都に出稽古に行ったり自主練習したりして、懸命に難しい型を覚え、精度を上げた。
しかし、ここでアクシデント。大会2週間前になってSさんは体調を崩した。結局、大会当日も体調は戻らず、出場を断念。試合出場へのアツい思いは次回の大会に持ち越しとなった。
そんなSさんは宮崎という地方にいながら、持ち前のチャレンジ精神で芸能活動をしたり遠方へ行ったり、はたまた、海外の企業と関わるような仕事をしたりしている。そのため、時間の都合で練習に来られない時も多いが、空手自体は前向きで楽しそうに取り組んでいる。

姉妹共通の前向きさ
SさんRさん姉妹に共通することは、“なんでも前向きに取り組んでいる”ということだ。
誰でもうまくいかないことは多々ある。悩むこと、落ち込むこと、腹を立てること、生きていればそんなことは多々ある。
それでも、なんでも前向きに飛び込んで実際にやってみて、そして続ける。それは簡単なことではないが、姉妹は多方面でチャレンジ精神を発揮し、実行している。そしてそれは、姉妹の人間的魅力にもつながっている。
SさんとRさん姉妹は、『人生とは、才能や環境に関係なく、いかに前向きに挑戦し続けるか』ということを、その生き方で教えてくれている。空手道場は、単に強くなる場所ではなく、まさにそのチャレンジ精神を磨く場所なのだ。
姉妹が空手を続けた先には、黒帯となり後輩を指導する立場になっていることだろう。姉妹それぞれが持つ“チャレンジ精神”を、いつの日か後輩に伝えてくれるのを期待している。