ダラばな:ちょっとやみつきになる瞬間

ダラばな:ちょっとやみつきになる瞬間

私には、空手を通してちょっとやみつきになる瞬間がある。それは、新しく道場に入った子に道着を着せた瞬間だ。
新しく入った子は、大体見学と体験を通して入ってくる。その時に見た道場の先輩たちの道着姿や色帯を巻いた姿は、おそらくかっこよく見えるだろう。
「私(僕)も、早く道着を着てかっこいい型をやってみたい。強い蹴りをしてみたい」
そんな風に考える(はず)。

そして親を通して道着を注文し、渡される。指導者や先輩たちに道着の着方、帯の締め方を教えてもらう。
すべて終わって空手着姿が出来上がった瞬間、その子は満面の笑みを浮かべる。私はこの瞬間がとても好きだ。
親や周りの人たちに「かっこいい!」と褒められ、写真を撮ってもらいながら得意げになってポーズをきめる時の笑顔が好きだ。
見学の時から憧れた道着姿。道着姿でかっこいい技をきめる先輩の姿。その仲間入りができた嬉しさを笑顔で表現した顔が、私は好きだ。

もう一つやみつきになる瞬間がある。型の免許証を渡した瞬間だ。
闘気塾には、型を披露して指導者から認められればもらえる”型の免許証”がある。免許証をもらうまでには、地味な練習を繰り返し繰り返し練習し、何度も挑戦する必要がある。
そしてようやく認められて免許証を手にした瞬間、満面の笑みで嬉しそうな表情を見せる。私はこの笑顔が好きでやみつきになっている。

子供達は、これから空手を続ければ痛いこともツラいこともたくさん経験するだろう。でも、練習を重ねた自信を胸に道着に袖を通し、強いヒーローに変身してそれらに立ち向かってほしいと願う。