アマチュアの総合格闘技イベントに行ってきた

アマチュアの総合格闘技イベントに行ってきた

15年ぶりに行われたイベント
2025年2月2日宮崎県日南市において、宮崎では15年ぶりの開催となるアマチュアの総合格闘技イベント“宮崎フリーファイト1”が行われた。
日本修斗協会主催、宮崎県下の総合格闘技ジムが実行委員となり開催された大会で、キッズから大人までの総合格闘技やグラップリング、柔術などの試合が組まれた。
この大会に、私が所属する柔術道場の人や、日曜日に手伝いに行っているジムの選手たちが参戦。ジムの代表から選手たちのアップやセコンドを依頼されたのもあり、私も会場に向かった。

試合は12時から白熱した30数試合が行われた。私も総合格闘技の試合で初めてセコンドを経験させてもらい、大変勉強になった。
私も格闘技をたしなむ者。技術的な面も注視し、多くを学ばせてもらった。
やはり練習と実践は全く違う。顔面への攻撃がある格闘技は、練習では本気で相手に打ち込むことはそれほど多くない。そんなことをしょっちゅうしていたら怪我や事故が絶えない。しかし、当然ではあるが試合では本気。相手を倒すために力を込めて顔面を攻撃しにいく。
そうしたことから、イベントではいくつかの試合でKO(ノックアウト)決着もあった。アマチュア大会なのでヘッドギアは着用しているが、やはりKOは危険。ある試合では、強いパンチを立て続けにくらった選手がKO負けし、その後もずっと控室で横になっていた(本当は病院に行った方がいいはずだが)。

日本では“闘争”が起きにくい?
視点が小難しくなってしまうが、最近思っていたことがある。“闘争する”ということのハードルが、日本では比較的高いのではないかと。
国や地域によって違いはあると思うが、海外ではこの“闘争する”というのが身近にあるように思う。歴史的・地理的背景があると思うが、海外では他人と言い争ってでも、時にはストリートファイトしてでも自分の主張をぶつけ(海外事情に詳しいわけではないが)、政治的な争いも市民間でよく起きる。格闘技を観ていても、プロはもちろんアマチュアでも海外選手は最初から容赦なく相手をこ○しに行っている感じがする。さらには、コンクリートの上で素手素足、頭突き肘打ち有りという、何でもありでほぼ喧嘩ルールの極めて荒っぽい格闘技もある。スポーツ観戦の場でも、両陣営のサポーターたちが乱闘に及ぶニュースをたまに見かける。
しかし平和慣れした現在の日本では、秩序を保とうとして言い争いにまで発展しない(波風を立てたがらない)し、ましてやその辺で突然ストリートファイトが始まるというのも少ないように思う(たま~に動画で見かけることはあるが)。スポーツ観戦していてサポーター同士が乱闘するということも滅多にないし、格闘技でも日本人は非常にスロースタートな感じ。

エネルギッシュな若者たち
もちろん、平和なことはいいことだし、秩序を保とうとする国民性も素晴らしいと思う。一方で、平和な期間、秩序が保たれている期間が長すぎて、国民のエネルギッシュな部分までなくなっていっているのではないかと感じていた(ものすごく勝手な私見です)。日本も60年前、70年前は安保闘争や学生運動など一般の人々が闘争していたはずだが…(闘争を望んでいるわけではありません)。

しかし今回、総合格闘技イベントで若い人たちが真剣に戦っている姿を観て、まだまだ日本の人たちもエネルギーを持っていると感じた。
若い人が日々鍛錬し、筋骨隆々な身一つで相手と真剣に対峙する。殴られても負けじと殴り返し、タックルで倒されて上から押さえられても、すぐに動いてピンチをチャンスに変える。どの選手も必死な形相、真剣な眼差しで勝ちにいく。相手を倒しにいく。そんな若い人たちの姿を観、なんとなく安堵感を感じた。
私も道場では子どもたちに空手を指導する者。自らの身を律するとともに、周りに感動を与えられるような空手キッズを育成できるようになればと思う。