闘気塾西都の指導員ターヒラ。闘気塾西都ができた頃からのメンバーなので、2011年から空手を始めて暦は14年になる。2018年に初段を授与され、以来初段のままだ。
私は『ターヒラもそろそろ二段の審査を受けてもいいのではないか』と思い、2024年2月に本人に“一年後の審査”を打診した。ある条件を付けて。
肥満体ターヒラ
私は長年ターヒラに対し、人格的なものを心配していた(現在もだが)。ターヒラは男3人兄弟で争いながら育った環境がそうさせるのか、自分に甘く人に厳しい面が多々ある。それは道場の子どもたちに対してもそうで、以前は怒鳴ったり、時には「ボケが!!」と暴言を吐いたりしたこともあった。その都度、私はターヒラに注意したり説諭したりし、今では怒鳴ったりなどはなくなってきた(今でもギョっとする発言はたまにあるが)。
そして人には厳しい反面、自分には甘く、それは体型が物語っていた。有り体に言えば、肥満体。身長160数センチで体重は91キロ(多いときはもっとあった)。
いや、肥満体が悪いわけではない。武道の指導員をする者が、“肥満体という自分の状況を許し続けているという甘さ”が問題。私は、武道を嗜む者は“自分に厳しく人に優しく”あらねばならないと思っているが、ターヒラは真逆を行っているような人物だったのだ。ただ、空手だけは真面目に取り組んでいたため、2018年に黒帯を授与した(実はこれも渋々だったが、道場の状況的にやむなく)。
そして2024年2月、“ある事情”により、条件を付けて一年後の二段審査を打診し、本人も条件を飲んで受審することにした。※“ある事情”は過去回参照
その条件とは、“一年かけて体重を70キロに落とすこと”。
条件の理由
なぜその条件にしたかという理由はいくつかある。
一番はやはり自分への厳しさ。私も経験があるが、減量は自分との闘い。途中、体重が下げ止まって挫折しそうになることが必ずある。今まで好きなものを好きなだけ食べてきたのに、減量中はそういうわけにはいかない。疲れていてもめんどくさくても、運動を休めば体重が増えるので休めない。一年間もそんな自分との闘いをして、自分への厳しさを身に付けてほしいという思い。
また、ターヒラも40歳前。健康に気を付けなければならない年齢に差し掛かってきた。すでに健康診断のたびに色々指摘されている状況で、肥満体のままでいては大きな病気をしかねないので、その対策としての減量。
他にも理由はあるが、要は人格的成長と健康を手に入れて、二段を授与された者として自らを律して周囲の模範となり、これからの人生を充実したものにしてほしいということだ。
減量生活ラジオショッパー
こうして始まったターヒラの減量生活。
およそ減量というのは、気合いが入っている最初期は順調に減る。これは、体に余分な脂肪が多くあるためというのもあるが、一番はモチベーションが高いため運動や食事制限を着実に実行するからというのが大きい。しかし、ある程度期間を経るとこれがマンネリ化して体重が減りにくくなる。徐々にマンネリ化するので、本人も自覚がないことがある。
しかもターヒラには減量を阻んでくる難敵もいた。両親だ。ターヒラは実家暮らしで、食事は両親が用意してくれる。そして両親には『減量中だから食事量を減らしている』ことをきちんと伝えている。しかし、食べ過ぎないように我慢しているターヒラの目の前に、次から次にどんどんと食事を出してくる。
どうも親というのは、子どもが腹いっぱい食べる姿に満足するらしい。私も若い頃の減量中、食事量が少ない私を見て母親が半ばキレ気味に「なんで食べないんだ!」と言われたことがある。
せっかく作ってくれるのはありがたいが、減量中の身に目の前のたくさんの食事というのは酷。言い方は悪いが、親も減量の阻害要因になり得るのだ(本当にありがたいのだが…)。
そのようにして、様々な要因で体重は下げ止まることがほとんど。いかにしてその停滞期を乗り越えるかが、減量中の大きなポイントになる。
ターヒラも御多分に洩れず最初は順調に体重が落ちたが、案の定75キロくらいで下げ止まった。
~次回に続く~
