社会教育
社会教育とは、「学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーシヨンの活動を含む)を指す」(文科省HPより)としている。公民館など公共の「場」を利用した、学校教育、家庭教育に並ぶものとしての位置づけのようだ。また昨今は、様々な社会課題、例えば、少子高齢化、人間関係の希薄化、教育力の低下、などの課題に対して、いろいろな人々や公民館やNPOなどの組織が横断的にコンソーシアム(共同事業体)を形成し、解決に導くような学習機会を作っていく活動もあるようだ。
私はこの社会教育に若干の興味があるのだが、武道でも社会教育が実現できるのではないかと考えている。
子供たちの居場所
闘気塾には、事情により学校に行けない子や何らかの複雑な事情を抱えている道場生たちが複数人いる。そんな子達は、“学校には行けなくても道場には行く”という状態の子が多い。学校に居場所がなくても道場に行けば居場所がある。道場には気の置けない仲間がいて、遊び半分であったとしても一緒になって練習して汗をかいている。また、学校になかなか行けなく、道場内でもほとんど言葉を発さない子が、組手稽古になるとガンガン練習し、楽しそうにして帰る子もいる。その子達にとって道場が、そして武道が、救いの場になっているのだと思う。このように、武道には“子供の居場所”としてのポテンシャルがあると考えている。
もちろん、こうした場を作り上げるのには指導者が正しい認識を持つことが前提。できない子を蔑んだり荒々しい言葉を投げかけたりするようでは、社会教育としての武道は実現できないのは明白。“一人ひとり違って当り前”、“今はできなくてもある日突然成長することがある”、“どんな子供にも人格があれば人権もある”、そのような当然ともいえる認識を常に自分に刷り込んでおかなければならないだろう。
武道で健康づくり
また、武道は地域の人々の健康づくりにも寄与できると考えている。
最近、闘気塾には大人たちが増えている。年齢層は20代前半から80代まで様々。最近入会した女性は60歳前だ。みんな健康づくり、ダイエット、ストレス発散の手段として空手を選択している。
空手と言えば一般的なイメージは、“痛そう”、“キツそう”、“なんか怖い”、などが挙げられるだろう。しかし、闘気塾に見学に来た人はこれらのイメージが覆る。なぜならみんな楽しくやっているから。そして指導者からこう説明を受ける。「組手は必ずやらないといけないわけではない。型だけでもいいし、ミットだけでもいい。自分のペースとやり方で汗をかければいいんです」と。その結果、みんな自分のペースで空手を楽しみ、心身の健康づくりに役立てている。
闘気塾会長も私も、若い頃は不摂生により体重が90kg以上あったが、空手に励み、今は健康を取り戻している。そして闘気塾西都の指導員も、現在空手ダイエットに取り組み、10か月経過して16kgほど減った(現在進行中)。
武道は全身運動なので、ダイエットだけでなく筋肉の維持にも最適。そして動く体を維持するのにも最適。武道は大人の健康づくりに大いに寄与できるのだ。
~次回へ続く~