女性格闘家と男性格闘家が○う日が来るのか

女性格闘家と男性格闘家が○う日が来るのか

昨日の闘気塾西都での練習。試合に向けて”やる気スイッチ”を入れた中学女子道場生と組手稽古をしていた成人男性が、女子道場生の技をくらって度々悶絶していた。
スイッチが入った道場生はたしかに殺傷能力が高いが、私は成人男性に対し、『おおげさやなぁ』なんて思って見ていた。

次は私が道場生の相手をする番。
「押忍、お願いします」 ”ガンッ”
一発目で肘打ちが私の鎖骨に入り、見事に悶絶。痛い。痛いよ。今も痛い。殺傷能力が高過ぎ晋作。

女性格闘家男性格闘家が戦う
以前、私が起こしかけた“ジェンダーバイアスによる強要”の記事を書いた。そこからジェンダーバイアスやジェンダー問題について勉強したり考えたりしている。
ジェンダーバイアスによる偏見というのは身近にあるもので、最近も数人で歓談しているときに女性の「男の人は雑だから」という発言に接した。私はすぐさま『性別によって雑かどうかは決まらない。人によって雑な部分・丁寧な部分が誰にでもある』という話をした。
そういう私も、未だにジェンダーバイアスが抜けない部分が大いにあるし、ジェンダー問題について疑問がぬぐえない部分も多々ある。

国連が掲げる“SDGs 17の目標”に“ジェンダー平等を実現しよう”とあるが、これはどこまでのことの指しているのだろうか。もちろん、女性が身体的・精神的に傷つけられたり、自認している性別に由来する不当な差別を受けたりすることはあってはならない。
しかし一方で、ジェンダー平等を実現するなら“レディーファーストもなくすべき?”、“女性とともに荷物を運んでいる状況で、男性が自発的に重いものを持つこともやめるべき?”、などなどの疑問が出てくる。
最近、もう一つ疑問というか懸念がある。それは『女性格闘家と男性格闘家が戦う日が来るのでは?』というもの。

実際の事例
有名団体で活躍するような女性格闘家は、間違いなくその辺の素人の男性より強い(もちろん本人のレベルにもよるが)。が、格闘家同士ならその限りではないと考える。
体の構造的に、体重が同じでも筋肉量は男性の方が多い(なかにはムキムキな女性格闘家もいるが)。ということは、打撃力や耐久力、組み力は男性が有利になる。そのような女性対男性の対戦は明らかに危険な組み合わせだろう。そんな格闘技の試合がいつの日か出てくるのかもしれないという懸念がある。
実際、今夏のパリ五輪でのボクシングで、元々男性であった人物が女性として出場し、対戦相手の女性が試合開始後まもなく途中棄権するという事案があった。それくらい男性と女性ではそもそもの身体能力が違うということだと思う。また、別の事例では、海外の試合だが動画で女性対男性の試合を観たことがある(どうも素人同士らしかったが)。

こういった事案は、いくら本人同士が了承しているとはいえ、危険を感じる。他のスポーツならまだしも、“人と戦うこと”を競技にしている格闘技では、その危険度は他のスポーツの比ではないはず。
そして、ジェンダー平等を標榜する昨今なら、こういった事例が他にも出てくる可能性があるのではないか。男性格闘家が女性格闘家を打ちのめしても、ジェンダー平等の観点から『男性が女性を顔がボコボコになるまで殴るなんておかしい!』とも言えないのだろうか。

女性対男性の格闘技は正しい?
一方でこのような事例もある。日本のプロボクシング界では、女性として生を受けたが(性適合手術を行い)性別を男性に変更し、プロとして男性との試合を行った選手もいる。試合は判定負けだったが、試合後「男性に劣っているとは思わない」と話した。※この試合は、あくまでも男性同士の試合として組まれている。

また、当道場がメインで行っているフルコンタクト空手でも、女子・男子の体格差があまりない小学校低学年のうちは男女混合で試合を組むことがある。体格差があまりないだけに、女子が勝つことも多々ある。※しかしこれも、正しいことなのかを再考する必要があるかもしれない。

どの格闘技・スポーツでも、練習では女性と男性が組むことはある。当然ながら男性側が力を落として練習する。しかし、試合となると本気・全力が前提。双方がリミットを外した状態でやり合うことになる。そんな危険なことがいつか当たり前になる日が果たして来るのだろうか。上記のように、女性の体でも男性と対等にやり合うことは本当に可能なのか。
と、ちょっと飛躍しすぎかもしれないが、最近ジェンダー問題を勉強しているとそんな考えが浮かんでくる。