切磋琢磨の「琢磨」は、二字とも”みがく”という意味の漢字らしい。その意味からか、よく男性の名前として使われる。
カーレーサーの佐藤琢磨さんとか三井財閥総帥の團琢磨さんとか。
それはさておき。
試合に強くなるパターン
子供たちに空手を教えていると、当然ながら試合に強い子が出てくる。
振り返って考えてみると、試合に強い子が育つにはいくつかのパターンがあるように思う。
今回はそのパターンを考察してみる回。
結果から言うと、試合に強い子が育つには以下のパターンがあると考える。
・試合の結果や将来に目標を持ち、自分から強くなることを望んでいるパターン
・親御さんが多少厳しくても励ましながら積極的に練習させているパターン
・道場内に切磋琢磨する仲間がいて、共に刺激し合いながら強くなるパターン
・指導者がガンガン練習させるパターン
ここでは、それぞれのパターンが正しいか正しくないかは問わないが、このようなパターンがあるのではないかという話。
文字数稼g…もとい。整理の為、それぞれのパターンを、事例を交えながら少し嚙み砕いて考察したい。
・試合の結果や将来に目標を持って、強くなることを望んでいるパターン。
以前、他道場の選手で「K-1チャンピオンになりたい」と言う子がいた。さすがに大きい目標を持つだけあって、体は小さいながら懸命に練習をし、試合にも積極的に出場し好成績を残し続けていた。強くなるパターンとして結構理想的ではないかと思う。
・親御さんが励ましながら練習させているパターン
親御さん自身が金銭や労力をかけて、子供に強くなってもらおうと望んでいるケース。
サンドバッグを自宅の車庫に吊り下げた家庭や、自宅のひと部屋を空けて子供に毎晩練習させている家庭もあった。また、他道場の家庭では、自宅とは別に練習のための小さい家を買って、“プチ道場”のようにして練習させているケースもあった。
しかし、親御さんがのめり込み過ぎると良くないことが起きやすいと考える。
・仲間と切磋琢磨するパターン
これも結構理想的なパターンかと思う。
以前、当道場に同じ学年の子達がまとまって入会したことがあった。その子達は友達同士とあって、激しい練習も厭わないほどに互いに競い合い、数年後には大会の上位を独占していた。
手っ取り早く強くなる上、チーム感も醸成されやすいので理想的ではあるが、外部性(仲間)という条件に依拠しているので、小さな町道場では実現が難しい。
・指導者が厳しくガンガンやらせるパターン
私的には全然理想的ではないが、これも一つの試合に強い子が育つパターンかと思う。
指導者が厳しい道場は、以前は多々あったようだが昨今は少ない。しかし、今も少しはあって、指導者の怒鳴り声が試合会場に響くことがある。
たしかに選手たちも強く、厳しい指導を望む家庭からは支持されているようだが、私はあまり良しとしない。
試合や強さだけが武道ではない
と、試合に強い子が育つパターンを考察してみた。
このパターンのいずれにも該当しない場合は、なかなか試合に強くなれないのではないかと思う。
まぁしかし、昨今は組手の強さや試合の結果を重視しない家庭も多いし(私もだが)、試合だけが武道ではないので、必ずしも強くならないといけないということはないと考えている。
私が子供たちに教える中で重視しているのは、“空手を通してどのように成長するか”ということ。成長してくれていれば試合に出なくてもいいし、組手に強くなくても構わないと考えている。
ただ、空手の中から自分が頑張れる”何か”を見つけてほしいとは思っている。それがその子を大きく成長させてくれる可能性があるから。