指導員の役割考

指導員の役割考

大体どこの空手道場も指導員がいる。指導員とは、先生から黒帯を授与されて“指導員”として認められた者。
先生の配下で指導員をする場合もあれば、先生から許可をもらって指導員が支部道場を持つ場合もある。
今回は、“先生配下の指導員”の役割について考察したい。

人数が多いほど必要になる指導員
道場で練習する人数が多ければ多いほど指導員の役割は重要。
ほとんどの道場は子供がメイン。そして一口に子供といっても、年齢も違えば体格も違う、経験年数も技術レベルも違う。
理想的にはそういった違いによってクラスを分けて練習を組みたい。しかし、クラスを細かく分けるとその分指導者の数も必要。
また、みんなで一緒に練習している時でも、人数が多ければ先生の目が行き届かない場合も多々ある。そういった時も複数の指導員が必要になる。
このように、人数が多い時ほど指導員の役割が重要になる。
私の感覚として、道場生が10人程度だったら私だけでも問題はないのだが、それ以上になると指導員がいてくれたら助かる。
10人を超えてもできないことはないが、“問題が発生しないように進行する”、または、“道場生一人一人の練習精度を可能な限り高める”という意味で、指導員が必要になる。

指導員は先生の補佐
稽古時の先生配下の指導員の役割、それはあくまでも“先生の補佐”。
先生は道場の稽古をする時、練習内容や進行スピード、組み合わせなど色々なことを考えた上でやっている。当然ながら、指導員がそれを逸脱した行為をしてはいけない。
練習内容と違う指導を行ったり進行を妨げるような指導を行ったりするのは論外。
先生が組み立てた練習内容の意図をくみ取り、適切なタイミングで道場生に指導を行うことが必要。
また、当然ながら、指導員であるからには様々な知識・技術を身に付けておく必要がある。
道場生に教える時でも質問された時でも、「知らない」では指導員として心もとない。
この時、「できない」というのは必ずしもダメではないと考える。それは年齢的なことであったり身体的なことであったりで、指導員とはいえできないことはあるだろうから。
ただ、「知らない」というのは極力避けるべきだと考える。道場生に「○○の型を教えてください」と言われて「その型は知らない」では、なんとも心もとない限り。
また、例えば道場生に基本的な筋力トレーニングのやり方を教えるのに、“自分はあまりやっていない”とか、“たまにやるけど継続しない”では説得力に欠けるし、間違ったやり方を教えて怪我を誘発しかねない。
厳しい言い方かもしれないが、知らないことを知っているかのように教えたり、あまりやっていない・継続してやっていなかったりすることを教えるくらいなら、先生や別の指導員に指導を依頼する方がいいと考える。

指導員の役割まとめ
先生配下の指導員の役割をまとめると、“先生が進める稽古の意図をくみ取って、進行を妨げずに適切に指導を行う。また、適切に指導できるように自らも知識・技術を深め、努力し続けること”となるか。
う~ん、自分で考察しておきながら、我が身を振り返ってみるとあやしい点が…。
私も努力し続けよう。押忍