12月17日、中学女子の道場生Mがある大きい団体の全国大会に出場した。
さすがに名前のある団体、以前から演出のうまい団体(この時点でどの団体か分かる人は分かるはず)だけあって、この大会も派手だった。
頑張ったキツい練習
今大会に出たきっかけは、私がある日言った「Mも来年は中学3年生。練習にも来られなくなるやろうから、最後の挑戦で今年中に全国大会目指してみたら?」という言葉だった。
そしてすぐに全国大会の地方予選である宮崎の大会を優勝で突破し、今大会にエントリーした。
全国大会までの数か月、Mは学業が忙しくとも練習を頑張った。
全国大会が開催される日は宮崎でも大会があって、その大会に出る道場生5名とともにキツい練習を、悲鳴を上げながらやり通した。Mや選手たちと共に戦う気分になるため、私も一緒に練習した。
精いっぱい頑張る選手たちの姿を見て、大会に出ない道場生や親御さん達も懸命に応援。
おかげで過去最高に道場全体が一体となり、いい状態で大会に臨んだ。
全国の壁
全国大会は大阪・難波で開催され、Mは前日に大阪入りした。
私も行ったのだが、Mにリラックスしてもらうため、道頓堀やなんばグランド花月に連れて行った。
道頓堀や心斎橋はものすごい数の外国人観光客でごった返しており、リラックスできたかは微妙なところだが、花月で大笑いし、あとは本番に臨むだけとなった。
試合当日、Mは見た事ないくらい大きい会場に圧倒されたが、ウォーミングアップ時には過去一番キレキレな動きで状態の良さを物語っていた。
いざ試合。相手選手はMより少し小さかったものの、突きが非常に上手な選手で、グイグイ前に出てくるMの苦手なタイプ。
いつものMなら得意の蹴り技で技有りを狙うのだが、マットが滑りまくって踏ん張りが効かないという不運。
仕方なく突きで応戦するも、そこは相手の土俵。分が悪く、残念ながら敗退となった。
結局、相手選手は決勝でも自分より遥かに大きい相手に得意の突きで攻め続け、優勝していた。
試合は難しい
“やはり全国には強い選手がいる”
当たり前のことだが、そんなことをMとともに実感した大会となった。
そして、同日に宮崎の大会に出場した道場生たち。一人は優勝したが、他の選手たちはみんな初戦敗退。
改めて、試合は難しい。トーナメントは一回戦が終わった段階ですでに半分の選手がいなくなるという過酷さ。出場者が50人いようが100人いようが、最終的に勝つのはたった一人という残酷さ。
そんな試合に挑戦し続ける道場生たちを心から尊敬するし、一緒にキツい練習をしてともに戦えたことを誇りに思う。
試合直後のM
敗退した直後のM。涙を流して悔しがっていた。
でも。“予選を勝ち進んで大きな舞台で戦ったことがある”。その事実はMの将来の大きな財産となったと思う。
『来年は中学3年生。試合で活躍するMの姿を見る機会も減るな。そうしているうちにもう卒業やな』と感傷に浸っていたら、Mが「先生、次の試合の参考にしようと思ったのに、ママが試合の動画撮ってないんですよ!」と。
すげぇ…もう次の試合のこと考えている。さすが百戦錬磨の猛者。
我が道場生ながら、心から尊敬。そして、全国大会に連れてきてくれたことに感謝。
来年もみんなで楽しみながらがんばろう。