私は教育学の専門家でも教員免許を持っている人でもない。
しかし、一応空手道場の指導者として、子供達に対する指導や子供達の成長などについてよく考える。
そして実感することがある。“今は教育・指導の在り方の過渡期にある”と。
この記事は、その実感の経緯や考えをまとめるために書くことにする。
後を絶たない暴力。実は私も…
最近またある高校の部活動の監督が、生徒に対して暴力行為を行い引責辞任した。相変わらずこういったニュースが後を絶たない。
偏見かもしれないが、暴力行為をする指導者は50代以上が多いように思う。昔は通じていた指導方法が抜けていないのか。
実はかく言う私も、いまだに生徒を叩く可能性を捨て切れていない。
そして実際に一度だけ手を挙げたことがある。
もう7年ほど前の話だが、何度言っても練習を真面目にしない道場生がいた。「○○、いい加減にしないと怒るぞ」と言っても、その子は周りの子たちに向かって「先生は怒っても何もせんよ」と言ってそのまま騒いでいた。
周りへの悪影響も考え、仕方なくげんこつをした。げんこつといっても「いてっ」というくらい。それからは、少しは真面目にするようになった。
その道場生の親御さんからは、普段から「もっと厳しくしていいです」という言葉をもらっていたからそこまでしたが、その指導が正しかったのか、他に効果的な指導方法があったのか、いまだに答えは出ない。
手を挙げる可能性を捨て切れない理由
他にも手を挙げる可能性があるケースを想定している。
当道場では約束事の一つ目に“空手の技を友達や周りの人に対して使わない”という事を挙げているが、この約束を破った時、つまり、空手の技を使って悪質な暴力行為(いじめ)を行った場合は手を挙げる可能性があると思っている。
もちろん、言い聞かせて理解してくれた場合はこの限りではないし、事前に親御さんと相談をした上で“その必要がある”と判断した場合に限る。
あくまでも可能性の一つなので、実際にこれを行ったことはない(親御さんとの事前相談までいったことはある)し、これからもおそらくないであろうと思っている。
なぜなら、空手をする子供はほとんど優しい子に育つから、基本的に手を挙げる必要はないのだ。
社会全体で新しい指導方法を構築しなければ
ある武術をやっている教師が、暴れて殴りかかってくる生徒を絞め落として強制的におとなしくさせたが、それが問題視されて結局教師を辞めてしまったという話を聞いたことがある(人づてに聞いたことなので真偽や詳細は不明)。
ニュースからは見えてこないが、今まで報道されている教師や指導者による暴力行為は、もしかしたら取り返しのつかない状況を止めようとして暴力に至った事例もあるのかもしれない。
暴力は容認されるべきではないが、暴力を振るってくる生徒や暴れ回って周りに悪影響を与え続ける生徒をどのようにして大人しくさせたらいいのだろうか。
学校ではそういった議論や支援策なども講じられているかもしれないが、民間の道場や教育施設などはそのノウハウをどこで手に入れればよいのだろうか。
これから社会全体で議論をし、より良い教育・指導法が共有されることを望む。
もちろん、各所では普段から適切に生徒とコミュニケーションを取って適切に指導し、そういった問題生徒にならないように努力をするのは言うまでもないが。
<今日の道場生の一言>
「先生、最近”今日の一言”書いてないですね(¬_,¬)」
はい、最近書いてないですさーせん。
そんなあなたは、今日(12月17日)は全国大会の試合中。
結果はどうあれ、悔いのないようにがんばれ!