武道によって違う道○

武道によって違う道○

道着はいつからある?
様々な武道に存在する”道着”。武道を学ぶ者にとって欠かすことのできない稽古時の相棒である。

道着は、1800年ころには存在していたと言われる。
田安散人「似匠誤号之弁」(写本、1794年)には、「身には稽古着なと云って、木綿ゆかたのさしつづりたる一つに猿股、引破れ袴などはきて」とあり、この頃には稽古着(道着)を着て武道を鍛錬していたことが分かる。(日本武道館著「日本の武道」参照)

道着といっても、武道によってその形は全く違う。
弓道や剣道、合気道は袴であるし、柔道や空手は刺子生地や帆布で作られた白や青の道着。

競技によって全く違う道着
私はブラジリアン柔術(以下、B柔術)もやっているが、B柔術は柔道着に近い丈夫な道着。
B柔術をやり始めて驚いたことがある。道着がおしゃれ。
B柔術は、柔道家・柔術家の前田光世氏がブラジルに渡って現地の人(グレイシー一族)に柔術を教授し、改良が重ねられて創始されたのが始まりで、MMAでその実戦性が証明されたことで一気に世界に広まった。
最近は日本でも急速に広まり、競技人口がかなり増えた。

そんなB柔術は、海外発祥の格闘技だけあって、道着が非常におしゃれだ。道着の至る所にパッチや刺繍が施され、裏地も派手に飾っているものも多い。
形としては柔道着よりも少し細身だ。ただ、柔道着も柔術着も掴み合い、引っ張り合う競技なので、道着が非常に頑丈に作られている。

また、空手にも伝統系空手やフルコンタクト空手などがあり、道着もそれぞれ。
伝統系空手の道着は若干裾が短いがフルコンタクト空手道着は長い。袖はフルコンタクト空手の方が短い、といった感じ。
どちらも柔道着や柔術着よりはるかに薄いため、空手着で組み合いの練習をすると結構「ビリッ」っとなってしまう。

道着は神聖か、はたまたおしゃれを楽しむものか
精神性を重んじる日本武道は、道着を神聖視する。人によっては、「道着は死に装束」とする人もいる。
かたや、海外発祥のB柔術は、道着はもちろん競技のあらゆる場面でおしゃれ(道場も清潔でおしゃれなところが多い)。
その辺の違いもまた面白い。

空手とB柔術をハイブリッドで学ぶ私は…この前、空手着をB柔術着のように刺繍を入れたりして、ちょっとおしゃれにした。なかなかの自信作で満足した。
昨日、この自信作の道着を着ての初めての練習であったが、道場生たちの反応やいかに!

一人に「前の道着の方がよかった」と言われ、他の道場生たちは誰一人道着に触れてくれず…。

押忍