ダラばな:おめでとう

ダラばな:おめでとう

以前、闘気塾西都道場で空手をやっていた青年がいる。
空手は中学生から始めて高校卒業時まで続けた。福岡の大学に進学し卒業した後、宮崎の実家に帰ってきて就職活動をしていた。

彼は中学生の頃、人間関係に悩み、学校を休みがちになっていた。
そんな時に、友達に誘われて当道場に入った(その友達は早々に辞めてしまったが)。
その当時は道場の人数も非常に少なく、彼と私と指導員の3人だけなんていう日もしょっちゅう。
しばらくして可愛らしい後輩ができて、「K兄ちゃん」と慕われていた。しかし本人は子供にどう接していいか分からず、最後までぎこちない接し方であった。
そんな中でも真面目に練習を続け、茶帯まで巻いた。本当は黒帯まで渡したかったが間に合わなかったのがずっと私の心残りで、今もそう。
大学に行ってからもたまに連絡をくれ、帰省した際には食事に行ったりもした。
でも、彼が地元に帰ってからはコロナの関係などでまだ会えていない。

2か月ほど前、そんな彼から連絡があった。
「就職が決まりました」

4月からは、無事採用となった地元近くの公的機関に勤務する。
公務員として実家から職場に通う。これ以上ない親孝行だ。
そして彼は今日、誕生日を迎え、23歳となった。

おめでとうK君。たまには道場に顔を出してくれ。待ってるよ。