以前、子供の道場生にこんな質問をされたことがある。
「先生は何歳から空手をやってるんですか?」
私は28歳くらいから空手を始めた。目的はダイエットだった。
幸いダイエットは成功し、空手(というか格闘技)にもどっぷりハマって現在に至る。
しかし、上記の質問には若干答えづらい気持ちがある。
やはり指導者となると、若い頃から空手ばかりやって試合にもどんどん出てキャリアを積み上げたイメージがありそうだから。
そのイメージからいうと、私は程遠い。
実際には、20代後半や30代40代になってから空手道場に入門し、精進して黒帯まで取得する人はたくさんいる。
そして当然なことではあるが、遅咲きだからといって悪いわけではないので、何も気兼ねすることはないのであるが、なんとなく教え子には言いづらい。
以前の投稿にも書いたが、指導者と教え子の関係には”尊重と尊敬”が必須だと思っている。
指導者は教え子を一人の人間として尊重し、教え子は指導者を先生として尊敬する。
若いころから培った確かな技術があったり、試合で輝かしい実績があったりすれば教え子からの尊敬も得られやすいのだろうが、私のような者はそうではない。
では、私のような者はどうすれば教え子からの尊敬を得られるのであろうか。
それは”教え子たちと真摯に向き合う姿勢”ではないかと思っている。
『抽象的やんけ』と思ったそこの世界中の読者のみなさん。はい、私もそう思いますすみませんはい。
練習前や練習中に一人一人の顔を見、その日の体調や気分を観察・洞察し、何か異常があれば声をかける。
試合前にはナイーブになりすぎないよう励まし、試合後にはできるだけ寄り添って声をかける。
審査の後には一人一人に”がんばった点とこれからがんばってほしい点”を紙を渡す。
学校では当たり前にやっていることであろうが、学校ほど多人数ではない小規模道場だからこそ、しっかりと一人ずつ見られる。
大規模道場であれば良い環境を整えられ、仲間も多いのでやる気を引き出すこともできるが、小規模道場だからこそ一人ずつ声と気持ちをかけられる。
そして、それがいつしか尊敬してもらえる指導者に繋がるのではないかと考えて、できる限り精進している。
と言いつつ、実際は尊敬を集める指導者にはほど遠い。
まだまだ精進する必要がある。
そういえば、一昨日の練習の際、女子中学生の道場生が…あっかんべぇ😜をしてきたなぁ。
いや~…本当にほど遠い。遠い。地球から土星くらい(13億~15億km)遠い。
頑張ります。押忍