コーディネーショントレーニング
子供の運動神経を向上させるトレーニングに”コーディネーショントレーニング”がある。
コーディネーショントレーニング自体は割と有名で、解説の本やインターネットサイトがたくさんあるので、どういったものかの細かい説明はここでは省く。
簡単に言うと、バランス能力であったり瞬時に体を動かす能力であったり、状況に応じて動く能力であったり、総じて”運動神経”と呼ばれる能力を向上させるトレーニング。
当道場では、プレ・ゴールデンエイジやゴールデンエイジの子供達を対象に、簡単なコーディネーショントレーニングを行う。
いくつか紹介。
・空手マリオネット
左右の手で交互に上段・中段・下段の突きを繰り出す(第一段階)。
慣れたら、今度はそれと同時に足を横に開いて閉じるを繰り返す(第二段階)。
更に慣れたら、足を開いて閉じるに加えて前後にも開いて閉じるをしながら、上中下の突きを繰り出す(第三段階)。
・動物走り
色々な動物を真似て手足を使って移動。
手を床について横に飛ぶ(サル)、体を仰向けにして両手足を床について体を持ち上げて移動(クモ)、etc
・ダブルドッヂボール
ボールを2つにしてのドッヂボール。
ボールが2つあることで運動量が大幅に増加する上、常に四方に気を配って2つのボールの位置を把握しておく必要がある。
また、展開が早いので自分の置かれる状況を判断し、体を動かす。
という感じ。あまり込み入った道具を必要としない簡単なものばかり。
そして、子供は楽しみながらもみんな真剣。
空手がコーディネーショントレーニング?
しかし、ある時気付いた。空手が既にコーディネーショントレーニングだ、と。
その要因を考察してみた。
・全身運動
脚を高く上げたり常に前後左右に動いたりするので、かなりの全身運動になっている
・対応能力
組手稽古では、相手の動きに合わせて自分の動きを変えたり、繰り出す技を変えたりするため、状況に合わせて動く対応能力が養われる
・状況判断
同じく組手稽古では、相手のどこに隙があるのか、相手は自分より大きいのか小さいのか、などの状況によっても動きや技が変える必要があり、状況判断能力が養われる
そんな感じで、空手自体がコーディネーショントレーニングになっていると思われる。
当道場がコーディネーショントレーニングを行う目的は、子供の運動神経の向上だけではなく、歳を重ねても動く体づくりを目的としている。
ついでに。
子供たちは、キツい練習の後に楽しいコーディネーショントレーニングをやってその日の稽古を終えると、稽古の記憶が”楽しいもの”となる。
あざとい指導者の先生方、ぜひお試しを(笑)
以前、空手を卒業した子供の親御さん達に興味深い言葉をもらったことがある。
子供の数人が空手を卒業して野球部に入部した。
すると、空手をやっていた子供達が、元々野球をやっていたメンバーを押しのけて軒並みレギュラーメンバーになったというのだ。
押しのけられた子達はかわいそうだが、空手や練習の一環でやってきたコーディネーショントレーニングが功を奏したのかもしれないと思うと少し嬉しい。
道場での練習の日々が、子供の人生の何らかの一助になればもっと嬉しい。
<今日の道場生の一言>
「僕はまだ子供なんで!(ダダダダ…)」
体が大きくなった小学6年生男子を大人の部の練習に誘ったらこの一言で逃げられた( ´Д` )